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ひとり または
ふたり の
翻訳された愛の記憶
私は不在だった
死んだ猫が
台所で身繕いを始める頃
やわらかに
ゆるやかに
季節が失われていく
あなたのなかの
私の体温が冷えていく
生きることは液体のようだ
私は私という容器のなかで
溺れている



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2016.10.30 Sun l l コメント (10) トラックバック (0) l top
空が呼吸する

突然予想もしていない時に
通り過ぎていく視線

ひとりがふたりになる時
遠さという距離がみえてくる
ほんのちょっぴりのやさしさと
ほんのちょっぴりのかなしさで
抱き合うことでみつけた
ふたりの距離を
足りない日常が歩いていく

どこでもいいから
とにかくここではない処へ
とにかくどこかに
どこかにいかねばと
何かが追いたて
突き上げてくる

もう誰もいない
どこにも誰もいない

不在を記憶する
ひとつの日常でもなく
ひとつの幻想でもなく
私は死んではいなかった
私は生きてはいなかった




2016.04.24 Sun l 詩・心温 l コメント (0) トラックバック (0) l top
空を抱き
夢の終わったところで風景を捨てる
肉体の音 血の音
擦れ違った恋愛論のやさしさが痛い

溶けていく暦
生命は絶え間なく交代し続ける
眠りに向かっての穏やかな墜落にすぎない

始まりも終わりもなく
待つこと 限りなく待つこと

誰でもない私
さよならと書き始める
掌が汗ばむ

風の匂いがする
私は眠っている
私は眠っている
風景が停止する
夢のなかを通り抜ける
あなたの視線



2016.04.19 Tue l 詩・心温 l コメント (6) トラックバック (0) l top
愛することで体温を忘れ
暦のぬくもりを握りしめる

夢が呼んでいる

私と私たちとの間には
季節がある
急がないと死に遅れます
急がないと生き遅れます
独り遊びの綾取りのように
ぬくもりを探す指先

運命を選ぶことができますか
首筋に残したくちづけの痕
ことばのない会話のように
まなざしのなかの突然の愛は
悲しみを語る

吐息が恋をする
空が欲しい
血液の欲望
体温が騒ぐ
風景の停止

You want


2016.04.16 Sat l 詩・心温 l コメント (2) トラックバック (0) l top
愛するためのことばがふるえる
あなたを抱くみえない肉体

記憶のなかの透明な暦の距離

空が逆立ちする
ふるさとが眠る

瞬間を共有する
ふたつのこゝろは
夕焼けのように美しい
けれど
私がいない
あなたがいない

朝がまた産まれる

あなたと私
私とあなた
あなたは私
私はあなた

血の音が聞こえる
朝がまた産まれる

いるのかいないのか
ふれあうたびに遠くなっていく
私たちの距離
風景が消えていく
いるのかいないのか



2016.04.13 Wed l 詩・心温 l コメント (2) トラックバック (0) l top
私はしずかに飢えている
淋しさの距離のなかで
私はしずかに飢えている

人が壊れていく音
あるいは
産まれてくる音
自分の体温を感じるために
もうひとつの別の体温を必要とする恐怖

あなたの形に闇を握る
悲鳴に近い希望

私はしずかに飢えている
淋しさの距離のなかで
私はしずかに笑っている

胡桃のような時を割って
同じ夢をみるために
欠けた記憶のなかで
あなたの体温を探す

人が壊れていく音が
人が産まれてくる音が
同じ夢をみる

いることと
いないことの
やさしさが痛い私たちの風景
断言できるか
空を空と

風がみえる
風がきこえる
掌のなかの
はじまりのないおわり

断言できるか
空を空と



2016.04.11 Mon l 詩・心温 l コメント (0) トラックバック (0) l top
私は眠り始める

風景を捨てた視線が通り過ぎた
冷えた肉体
遠さという距離を握りしめた
呼吸の音
夢の終わったところで擦れ違った
恋愛論のやさしさが痛い
鳥の飛び去った後の空に抱きしめられて
私は眠り始める
至る所にさよならと書き始める
いま私はどこにいるのだろう
突然 埋葬された肉体のどこかで
失われた誕生日が死に近づいていく
やわらかにゆるやかに呼吸が止まる

私は眠っている



2016.01.26 Tue l l コメント (6) トラックバック (0) l top
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