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無数の魂と無数の肉体が
眠りの中で愛しあい
混ざりあった血が死んでいく
ふたりがひとりのように
ひとりがふたりのように
ふたりがふたりのように
ひとりがひとりのように
夜をふりかえる
この夜よりも さらに
夜らしい夜があるかのように
荒々しい夢の中で
血は眠り続け
夢は終わる
終わる筈がないという未練を
瞼の裏に残して
生きながら死に
死にながら生きる
占う運命などあるはずがない
ほら
ここに凶器が
ここに屍体が
ここに血が
今夜の私には
何錠かの睡眠薬が必要だ
喉が締め付けられる
私は泣き
私は恋する
花嫁は
腹話術師のように
喉の奥で囁き
百舌に晒された蛙のように
生まれてこようとする悲鳴が
空を
 割く
風が吹き抜けていく
舌と舌がもつれあう
蜘蛛の巣に捉えられた蠅の
乾燥した死骸のような
口の中の他人の舌
瀕死の舌
もう帰る所はない
腐り始めた夜が
私の愛した匂いが
指先に絡み付く
吐き気が する







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2013.07.10 Wed l 詩・夢遊病 l コメント (2) トラックバック (0) l top
髪に残った煙草の匂い
掌に刻まれた電話番号
それがいったいどうしたというのだ
花嫁の背に張り付いた屍体が
天気予報に似た愛を語る
なぜ私は殺人犯でないのか
なぜ貴方は殺人犯でないのか
旅先のホテルの庭を
枯れたヒマワリの影が
蛇のように長く伸びていく夢
たぶん明日の朝
世界は化粧をおとした花嫁の顔で
微笑するだろう
夢遊病者のように
もう一人の自分を連れて
人影の消えたカフェテラスで
口笛を吹く
百の声 千の声が
私を呼ぶ
逃げなければならなかった
常に逃げなければならなかった
なぜ?どこから?
今更どうなる訳でもない
錆びたナイフを握りしめ
私はただ否!と叫ぶだけだ
否!そして否!
否!否!否!と
私と花嫁を隔てていたのは
この果てしない夜の空間ではなく
私の熱っぽい運命だ
背後に取り残された夜明けが
鏡の奥から私を凝視する
死はいつでも無意味だ
もうたくさん
自殺の動機を籤引きでもするように
決めるのは もうたくさんだ
そんなものがいったいなんになるというのだ
死んだのではない
殺されたのだ


2013.07.09 Tue l 詩・夢遊病 l コメント (0) トラックバック (0) l top
死ぬまいとして
戯れに残された一冊の詩集
廻らぬ舌で語る愛
匿名の花嫁が不意に肩寄せて
聞き耳をたてる
踏み潰された新聞紙のような夜
ブランコのように
首吊り死体がゆれて
雨のように
咳のように
呼吸する
窓ガラスに映った
太った救世主
あれは
ひそかな期待
重ねた掌の温もりが冷えていくように
言葉は過ぎ去った日々のためにあり
私の生は
ひとつの記憶にすぎなかった
生きるためには
生き続けるためには
真新しい血が 必要だ
雲が流れ
無数の鳥の羽搏きが落下し
地平線を
痩せた花嫁が走っていく
DO YOU LIKE SCHBERT?
夜明けが待合室の戸をあける
寒いと誰かが呟き
唾液に濡れた指をかざして
私は溺死者となる
遠い海鳴りの間から
聞こえてくる歌声に
狂った船乗りのように
誰かが
叫んでいる
はじめて夜を見た日のように
頭の中で 何かの切れる音がして
呼吸困難になっていく
生きる事を放棄しなければならない



2013.07.08 Mon l 詩・夢遊病 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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