空の裂け目から死人の首が投げ出され
いたるところで眼が燃える
降りしきる雪の上に飛ぶ一羽の鳥を
掴み殺す私を
嗤え
会話のきれた受話器をいつまでも
握りしめた私を
嗤え
人生は陽気だ
子守唄はもう聞こえない
背中を見るために振り返るのは滑稽だ
幽霊が笑う
追い越せない私の死
私は私を食べ続ける
あかるすぎる
あらゆる目眩
あかるすぎる
死んでしまった風景
明日への殺意
愛撫を拒否して堕ちる愛のため
憎むことのできる清さをもちたい
私の指先の吹き溜まりに
また言葉がひとつ溜まる
重くなった指先で爪が割れる
視線だけが残った火葬場で愛を殺す
髪が燃える
蛇が喉の奥から舌を出す
朝露を溜めて輝く
蜘蛛の巣の糸のように
怪しげな発狂
あなたは私の死だった
愛を愛と言ってしまうのはよそう
あなたを呼ぶ私の声が
今でも聞こえる


2013.08.31 Sat l 詩・笑い仏 l コメント (0) トラックバック (0) l top
みちのくの安達が原の黒塚に
鬼こもれりと聞くはまことか<平兼盛>


狂っていく空
雪が降る
私は叫び
私は死ぬ
鏡の中の敵意を信じることだけで
生きてきた私は
私を好きになりかけていた
冗談だ
許すことなどできない
人生など
愛など
言葉など語れない
惨酷だ
透き徹っていくことの痛みに
愛してます
と書き始めなければならなかった
私のなかの距離
過ぎ去った花の季節よりもやさしく
軽々と掌に乗る愛
抱きあう雲たち
生きていても
死んでいても
朝はいつでも青い
ひそかに
飛び去った鳥の
羽搏きが聞こえ
人影が擦れ違う
呟くことで
私は私に耐えてきた
生きることは月並みであることを
拒否しなければならないほど
特殊なことではないが
帰る所がないとしたら
死ぬ以外にないかも知れない
ひとは淋しいから眠るという
街へ帰るという


2013.08.30 Fri l 詩・笑い仏 l コメント (0) トラックバック (0) l top
消えてしまいたい
突然のように鋭く
偶然のようにさりげなく
急ぐ事だけが
私の覚えた優しさだから
絶え間ない不確かさを
抱きしめて
沈黙を選択する
夢に夢を重ねて時を食むよりは
今この瞬間を狂いたい
明日が消え昨日が消え今日だけが残る
私は私を所有していない
名前のない記憶が
いのちとの距離を測る
忘れられた約束を思いだすように


2013.08.03 Sat l l コメント (0) トラックバック (0) l top
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